介護スタッフとして利用者に接する際には、普段の言葉遣いに対する配慮が必要です。
特に男性の利用者は、プライドが高い人が多い傾向にあります。そのため、言葉遣いに関しては十分な注意が必要です。

要注意なのが、ため口のような口の利き方です。いくら現場の利用者と仲良くなったとしても、嫌な気持ちになる人はいます。また、悪気がなくても、「何をやっているんですか」「駄目じゃないですか」「さっき言いましたよね」というような物言いを利用者は極端に嫌います。特にプライドが高い男性は、かなり傷ついてしまいます。

厳しい競争社会や縦社会を生き抜いてきた人ほど、プライドがあります。企業の部長クラスにのぼり詰めた人は、仕事を辞めてからも社会において同じ立場であり続けようとすることが多いです。そういう人は、他人や家族からプライドを傷つけられるような口の利き方をされると、大変不快な反応を見せます。
相手に失礼がないよう、なるべく年上の人には気を遣いながら接するようにしましょう。

一方、女性はプライドよりも自分をちゃんと見てほしいという人が多い傾向にあります。
そのため、ざっくばらんな話し方でも、それが親しみの表現として、いい意味で受け止められることも少なくありません。ただ、やはり年上の人に対する礼儀は必要であるため、どんなに仲良くなっても最低限の敬語は心がけるようにしましょう。

とにかく介護現場では、相手の立場や思いに寄り添ったコミュニケーションが大事なのです。
たった一言が、相手を深く傷つけることもあれば、元気付けることもあります。言葉の力は大きいため、相手の気持ちを考えて発言するワードを選びましょう。それを上手にこなすためには、利用者それぞれのバックグラウンドと、これからの余生で望んでいる在り方を知ることが大切です。その上で、どう寄り添えるのかを考えて、ケアをしていきましょう。